緑黄 色野 菜
●三和町差塩地区
カラシナは、種子が「辛子(からし)」の原材料になっている葉物野 菜で、葉には、ワサビに似たピリッとした辛みと、ツーンと鼻を突く 香味があります。古くから中央アジアで食用にされてきたといわれ、 日本へは9世紀に中国より伝えられたようです。
市内各地で自生しているカラシナを見かけますが、三和町差塩地区 で栽培されるカラシナは香りも辛みも強いといわれ、毎年自家採種し て栽培を続けています。
昭和時代中頃までは、三和町の各地で栽培も盛んに行われていたよ
カ ラ シ ナ
主な産地
生産の歴史的由来・特徴
32
9月中旬と下旬の2回に分け、キュウリの枝葉撤去後の畝間を耕 さず、一面に種を蒔きます。弱いものは新芽が出ないので、間引き をする必要はありません。
冬期に茎葉(けいよう)は枯れますが、3月頃には新芽が伸び、 3月下旬より根元から株ごと刈り取り収穫します。5 月上旬に黄色 い花を付け始めると、カラシナの辛みも弱くなり始めます。
採種用としていくつか畑に残し、開花期から採種期にかけ、アブ ラムシやテントウムシなどの害虫がつきやすいので、こまめに駆除 します。入梅前の莢が2~3粒はじけた頃に根元より刈り取り、軒 下で1週間ほど干した後、手で揉んで採種します。
採種後は、種籾袋(缶でも可)に入れて保存します。
代表的な栽培方法
からしの原料にもなる、カラシナの種子
カラシナの花
在来作物と伝統・食・文化
カラシナ漬け
① カラシナを熱湯にとおす。
(※株元から入れ、ひっくり返す程度)
② 冷水でしっかり冷やす
③ 絞って水気をきる
④ 塩を手のひらに取り、両手で揉むように塩を絡める
⑤ ビニール袋に入れて、冷蔵庫で4時間ほど冷やしな がら漬け込む
⑥ 水気を絞り、食べやすい長さに切って盛り付ける 作り方
●カラシナ ●塩 材 料
うですが、開花期から採種期にかけてアブラムシや テントウムシなどの害虫がつきやすく、駆除に多く の手間を要するため、自家採種の栽培者は年々減少 してしまいました。
カラシナの一般的な調理法は「カラシナ漬け」で、 3月下旬から4月下旬に収穫したカラシナで作ら れたものは「涙が流れるくらい辛い」といいます。 その辛さは自家採種だから出せるのではないかと言 う栽培者は、毎年「自家採種」にこだわって栽培を 続け、「からしな漬け」を三和地区の直売所で販売し ています。
32 33